その喉の詰まり感、我慢してませんか?~鍼灸で解消!


つらい自律神経症状の中のひとつに、「のどの詰まり感」「のどの違和感、異物感」
があります。

ここ最近、音楽関係の方々(吹奏楽器や歌い手)のお話をうかがう機会が何度かあり
こちらも勉強になることも多々ありました。


そこで今回はこの「のどの症状」に焦点をあてて、
自律神経症状と病態、鍼灸治療のアプローチについて考察してみます。

【迷走神経の緊張が喉に与える影響と鍼灸の効果】

自律神経の乱れは、喉の詰まり感や不快感を引き起こすことがあり、
これは特に「咽喉頭異常感症」(ヒステリー球)として知られています。

この症状は、喉に異物が詰まっているように感じるが、
実際には何もない状態です。

この症状の一因は、
迷走神経の緊張が深く関与しており、
鍼灸治療が有効な対策として期待されています。

【自律神経のバランスと迷走神経の役割】

自律神経は、交感神経と副交感神経から成り、
これらがバランスよく働くことで体の機能が正常に保たれます。

迷走神経は副交感神経の一部であり、
喉、咽頭、消化器官などに広く分布し影響を及ぼします。

この神経が過剰に緊張すると、
喉の筋肉に強い緊張が生じ、
詰まり感や不快感を引き起こします。

【喉の詰まり感と関連する筋肉】

喉の詰まり感には、
嚥下にかかわる咽頭収縮筋や
肩甲骨から舌骨につながる肩甲舌骨筋、
声の音程を変える胸骨舌骨筋や甲状舌骨筋、
顎二腹筋などが関連しています。

これらの筋肉が緊張すると、
声を出すことや呼吸が困難になることがあり、
喉の不快感が強まります。
この症状は、迷走神経の緊張によるものであり、
体全体の緊張をほぐす必要があります。

【気の滞りと咽喉頭異常感】

東洋医学では、気・血・水の流れがスムーズでない状態が
体の不調を引き起こすとされます。

咽喉頭異常感症の場合、特に「気の滞り(気滞)」が主な原因とされ、
喉や胸のエリアに「気」が停滞してしまうことで、詰まりや不快感を引き起こします。

この「気滞」は、以下の要因によって生じるとされています。

  1. ストレスや情緒の乱れ:感情のストレスが気の流れを阻害し、喉周辺に圧迫感を与える。
  2. 気血の不調和:全身のエネルギーの巡りが悪くなることで、特に喉に不快感が現れることが多いです。

【肝気鬱結と咽喉の症状】

東洋医学では、「肝」が感情と密接に関わり、
ストレスや抑うつによって「肝気鬱結」(肝の気の滞り)という状態が起こります。

また女性は、生理周期に伴うホルモンの変動、
特にエストロゲンやプロゲステロンの変動は、自律神経系に影響を及ぼし、
東洋医学的には「肝気鬱結」が起こりやすいとされています。
これにより、喉に気の滞りが生じ、詰まり感や違和感が増すことがあるのです。

これは「肝」の気がうまく発散されず、気が体内に滞ってしまうことを指します。
肝気鬱結が起こると、特に胸や喉に圧迫感や詰まり感を感じることがあります。

これが咽喉頭異常感の一因となると東洋医学では考えられます

【鍼とお灸の効果】

鍼とお灸を組み合わせる治療は、
喉の詰まり感を解消するために特に効果的です。

鍼は筋肉の緊張を直接緩和し、迷走神経の過剰な刺激を抑えることができます。

お灸は体を温める作用が強く、血流を改善して自律神経のバランスを整えます。

鍼とお灸を一緒に用いることで、より深いリラクゼーションが促進され、長期的な効果が期待できます。

【音楽活動と喉のケア】

音楽関係の方々、特に歌手や吹奏楽器の演奏者にとって、喉の健康は非常に重要です。

歌を歌う際や楽器を吹く際、喉の筋肉が柔軟に機能することが、
音の質やパフォーマンスに直接影響します。
喉の緊張が続くと、発声が困難になったり、音が不安定になることがあります。

そのため、迷走神経のケアや喉の筋肉の緊張を和らげることは、音楽家にとって必要不可欠です。
鍼灸治療は、これらの問題に対しても有効な選択肢であり、
多くの音楽家がパフォーマンスの向上を目的に取り入れています。

【まとめ】

迷走神経の緊張による喉の詰まり感や自律神経の乱れには、
鍼とお灸を組み合わせた治療が非常に効果的です。

特に、自律神経症状によるのどの症状でお悩みの方、また喉の筋肉が大切な役割を果たす歌手や楽器奏者にとって、
鍼灸によるリラクゼーション効果と自律神経の調整は、パフォーマンスの向上に大きく寄与する可能性があります。
喉の不快感に悩んでいる方は、鍼灸を選択肢の一つとして考えることで、根本的な改善が期待できるでしょう。

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