学会での一般口演のご報告 – 不妊治療における透熱灸と温灸の効果を比較

先日、鹿児島で行われた鍼灸学会にて、
私は「透熱灸と温灸による不妊治療の効果の比較に関する報告」を行いました。
当院でも日常的に使用しているこの2種類の灸治療が、
不妊治療にどのような影響を与えるのかについて、
これまでのデータを基に発表しました。

結果

研究の結果、
透熱灸を使用した場合、温灸に比べて子宮内の血流がより効果的に促進され、卵巣機能の改善が確認されました。
特に、卵胞の成長がスムーズになり、排卵周期が安定したケースが多く見られました。
また、温灸でもリラックス効果が高く、自律神経のバランスを整えることで妊娠率の向上に寄与していることが確認されましたが、
透熱灸の方がより顕著な効果を示したことがわかりました。

さらに、年齢層によっても施術の効果に違いが見られました。
例えば、30代後半から40代の患者さまでは、透熱灸の方が卵胞の発育やホルモンバランスの改善が強く見られた一方で、
若い世代では温灸によるリラックス効果が不妊治療のサポートとして効果的であったケースが確認されました。

【考察】

今回の発表で特に注目したい点は、
TRPチャネル(V1、V2)の関与が示唆される点です。
TRPチャネルは、体内の温度や化学刺激に反応する感覚受容体で、
特に透熱灸がこのTRPチャネルを活性化させ、子宮や卵巣への血流を促進している可能性があります。
これにより、卵胞の成長やホルモンバランスの調整が行われ、
妊娠しやすい状態を作り出しているのではないかと考えています。

特に当院のデータでは、透熱灸の施術後に
卵胞の発育速度や内膜の厚さが改善されたケースが多く確認されました。

【年齢に応じた個別施術の提供】

当院では、患者さま一人ひとりの年齢や身体の状態に合わせて、
最も効果的な施術方法を提供しています。
年齢によって灸治療の効果が異なることがわかっているため、
施術方法も年齢や個々の体質に応じて調整します。
透熱灸と温灸の組み合わせを最適化することで、
患者さまにとって最も高い効果を発揮できる治療を提供してまいります。

患者さまへの還元】

この結果を踏まえて、
当院では今後も患者さま一人ひとりに合った治療法を提供し、
不妊治療における成功率の向上を目指してまいります。
透熱灸や温灸の効果を実感していただくことで、
皆さまの健康と幸せな未来をサポートできることを心から願っています。

今後も最新の研究成果を元に、
より良い治療を提供してまいりますので、ぜひご相談ください。

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