花粉症対策!②〜鍼灸治療の効果と施術

 今回は、花粉症に対する鍼灸治療について書いてみたいと思います。

 花粉症のつらい症状に対して、鍼灸治療は即効的な症状緩和と体質改善の両面からアプローチできる心強い方法です。

そんな鍼灸治療について、鍼灸院で実際に行われる具体的な施術内容や効果について説明します。

初めて鍼灸を受ける方にも安心して頂けるよう、丁寧にご紹介していきます。

【鍼灸治療の狙い】

 花粉症に対する鍼灸の目的は、鼻水・鼻づまりや目かゆみなどの症状そのものを和らげると同時に、免疫の過剰反応を鎮めて体質を改善することにあります。

 東洋医学では花粉症は身体の「バランスの乱れ」や「防御気(衛気)の不足」と捉え、鍼や灸で経絡(けいらく)の流れを整えることで症状改善を図ります。

 具体的には、くしゃみ・鼻水を抑え呼吸を楽にするツボ、免疫機能を調節するツボ、自律神経を整えるツボなどに施術します。即効性と根本改善の両方を目指せるのが鍼灸の強みです。

主な施術内容(ツボ刺激):

花粉症によく使われる代表的なツボには次のようなものがあります。

迎香(げいこう)

 小鼻の脇にあるツボで、鼻づまりや鼻炎の特効穴です。ここに鍼をすると鼻腔粘膜の充血が引き、鼻の通りが良くなります。

印堂(いんどう)

 眉間の中央のツボ。鼻づまりだけでなく目のかゆみや頭重感の緩和にも用いられます。リラックス効果もあり、施術中にスッと楽になる患者さんも多いです。

合谷(ごうこく)

 手の甲の親指と人差し指の骨の付け根の間にあるツボ。全身の気の巡りを良くし、鼻や顔面の症状全般に効果があります。花粉症に限らず風邪のひき始めなどにも使う万能のツボです。

足三里(あしさんり)

 膝の下にある有名なツボ。免疫力を高める作用があり、胃腸の調子も整えるので体質改善に欠かせません。お灸を据えることもあります。

肺兪(はいゆ)

 背中の上部(肺の裏側)にあるツボで、呼吸器系の症状を和らげます。アレルギー反応を沈める効果を期待して置鍼(鍼を刺したまま一定時間留めること)します。

 これらのツボに細い鍼を刺し、必要に応じて微弱な電気刺激を与えたり、お灸で温めたりします。鍼は髪の毛ほどの太さでほとんど痛みはなく、刺したまましばらく安静にしていると次第に鼻が通ってきたり、目のかゆみが和らいだりするのを感じるでしょう。

【初めての患者さまへ

 

治療の流れ

 初めて来院された場合、まず問診で症状の経過や体質、既往歴などを詳しく伺います。その上で現在の体の状態(舌の色や脈の状態、腹部の硬さなど東洋医学的所見)を確認し、一人ひとりに合ったツボを選定します。

 施術はベッドに横になるか座った状態で行い、使い捨て滅菌鍼を用いてツボに鍼をしていきます。刺す深さや本数は症状や体質によりますが、一般的に花粉症では顔面部や手足を中心に10本前後の鍼を使用します。鍼を刺したまま10~15分ほど休む間に、不思議と鼻がスーッと通ってくる方もいます。

 その後鍼を抜いて終了です(必要に応じて温灸などを併用することもあります)。施術後は体がポカポカし、鼻呼吸がしやすくなるなどの効果を感じる方が多いです。

治療の頻度と効果実感

 症状が強い花粉シーズン中は週に1~2回の施術がおすすめです。個人差はありますが、早い方では1~2回で鼻づまりが大きく改善し、夜ぐっすり眠れるようになったと実感されます。

 慢性的な体質改善が目的の場合は、シーズン前から月1~2回ペースで続けることで、次の年の症状が軽くなるケースもあります。研究では、鍼治療を受けたグループは受けていないグループに比べて症状が軽減し、必要な薬の量も少なくて済んだとの報告があります 。

 即効性と体質改善効果をあわせ持つ鍼灸は、花粉症シーズンを乗り越える強い味方と言えるでしょう。

安全性と安心感

 当院では使い捨てのディスポ鍼を使用し、衛生管理を徹底しています。施術者は国家資格を持った鍼灸師ですので、どうぞ安心して施術をお受けください。「鍼は痛そう」「怖い」といったイメージを持たれるかもしれませんが、実際は刺されたことに気づかないほど刺激がマイルドです。むしろ施術中にリラックスして眠ってしまう方もいらっしゃいます。気になることや不安な点は何でもご相談ください。

 鍼灸治療は、花粉症患者さんのつらい症状を和らげるとともに、体そのものを強くしていく頼もしい療法です。

「薬に頼りたくない」「体質から改善したい」という方にこそ、ぜひ一度鍼灸を体験していただきたいと思います。

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