花粉症対策⑤~自宅で簡単!セルフケア
今回はお灸を中心としたセルフケアについて。
花粉症の症状軽減には、お薬や鍼灸の施術だけでなく、自宅でできるセルフケアも組み合わせるとより効果的です。
日々のちょっとしたセルフケアを習慣にすることで、つらい症状を和らげる手助けになります。
ここでは、自分で簡単にできるお灸やツボ押しなどのケア方法をご紹介します。

•お灸(きゅう)で体を温める
お灸は艾(もぐさ)を燃やしてツボを温める東洋医学のセルフケアです。
貼るタイプの台座灸(せんねん灸等)は、当院でもご購入いただけますし、ドラッグストアなどでも手に入ります。
花粉症体質の改善には、膝下の足三里(あしさんり)というツボにお灸をすると良いでしょう。足三里は膝のお皿の外側下、指4本分ほど下がったところにあります。ここを温めると胃腸の働きが整い免疫力アップに繋がります。
また、肘のしわの先端にある曲池(きょくち)や手首付近の列缺(れっけつ)といった呼吸器系に関連するツボにお灸をするのもおすすめです。
お灸は心地よい温熱刺激でリラックス効果もあります。ただし扱いには十分注意し、使用方法をよく読んで安全に行ってください。熱すぎると感じたら無理せず取り外すようにしましょう。
•ツボ押しマッサージ
指圧でツボを刺激することで、鍼がなくてもある程度の効果が期待できます。花粉症の症状緩和に特に有効なツボ押しポイントをいくつか紹介します。
迎香(げいこう)
左右の小鼻の横にあるくぼみです。鼻づまりで苦しいときは人差し指で両側の迎香を優しくグッと押してみましょう。鼻の通りがスッと良くなるはずです。花粉が多い屋外から帰宅した直後に押すのも効果的です。
印堂(いんどう)
眉と眉の間(額の中心)にあるツボ。ここを中指でゆっくり円を描くように押すと、鼻や目のむずむずが和らぎ気分も落ち着きます。目のかゆみや頭重感があるときにもおすすめです。
合谷(ごうこく)
手の甲の親指と人差し指の間の盛り上がった部分にあります。反対の手の親指でグッと挟むように押すと少し痛いポイントです。合谷は万能のツボと呼ばれ、鼻水やくしゃみだけでなくストレス緩和にも役立ちます。左右交互にゆっくり押し揉みしましょう。
これらのツボ押しは入浴中やテレビを見ながらでも気軽にできます。1か所につき5秒押して離すを繰り返し、各ツボ1~2分程度刺激してみてください。強さは「気持ち良い~やや痛い」くらいが目安です。
•鼻洗浄・水分補給
東洋医学的なツボケア以外にも、現代的なセルフケアとして鼻うがい(鼻腔洗浄)は即効性があります。
生理食塩水や市販の鼻洗浄キットで鼻の中を洗い流すと、付着した花粉を除去でき、鼻詰まりやムズムズ感がかなり軽減します。
またこまめな水分補給も大切です。喉や鼻の粘膜を潤しておくことで花粉が粘膜に付きにくくなり、異物排出もしやすくなります。温かいお茶や白湯を少しずつ飲む習慣をつけましょう。
•生活環境の工夫
自宅で過ごす際も、花粉症シーズンは環境づくりがセルフケアになります。部屋の換気は花粉の少ない時間帯に短時間行い、空気清浄機で花粉を除去する、加湿器で適度な湿度(50~60%程度)を保つなどしましょう。
湿度を保つと花粉が舞い上がりにくくなります。就寝時はマスクをして寝るのも喉や鼻の保湿に有効です。
これらのセルフケアを続けることで、「病院に行くほどではないけれど少し不快」という症状を自分で和らげることができます。
もちろん症状が重い場合は専門家の治療が必要ですが、日々の自己ケアで症状の蓄積を減らし、ピーク時のつらさを和らげることが可能です。
自分の体と向き合い、ケアする時間をぜひ作ってみてください。
