男性不妊にも鍼灸治療は役立つ?~大阪で最新の知見を学んできました
先日、大阪で開催された男性不妊をテーマにした講演会へ参加してきました。
妊活というと女性の治療が注目されがちですが、
現在では不妊の原因の約半数に男性側も関与していると考えられています。
今回は講演で学んだ内容を、患者さまにも分かりやすくご紹介します。
「精子は受精するだけ」ではない
以前は、
「受精したら男性の役割は終わり」
という考え方が一般的でした。
しかし近年の研究では、
精子は受精後の胚の成長にも影響している可能性がある
ことが明らかになってきました。
特に、
- 受精はする
- 初期分割も順調
- しかし胚盤胞まで育たない
というケースでは、
卵子だけでなく精子の状態も関係している可能性があることが報告されています。
大切なのは「数」だけではなく「質」
精液検査では、
- 精子濃度
- 運動率
- 奇形率
などが評価されます。
しかし最近では、
精子DNAの損傷(DNA断片化)
も重要視されています。
見た目が正常な精子でも、DNAが傷ついていると受精後の発育に影響する可能性があります。
つまり、
「数がある=安心」ではなく、「質」も重要
ということです。
鍼灸治療の目的は?
今回の講演でも紹介されていましたが、鍼灸治療の目的は精子を一晩で増やすことではありません。
鍼灸治療では、
① 精巣の血流改善
精子は精巣で作られます。
血流が改善すると、精子を作る環境が整いやすくなると考えられています。
② 自律神経の調整
精巣や前立腺など男性生殖器は、自律神経の影響を大きく受けています。
鍼灸には自律神経のバランスを整える働きが期待されており、
- 精液成分の分泌
- 勃起機能
- 射精機能
への影響についても研究が進められています。
③ 身体全体のコンディションを整える
精子は約3か月かけて作られます。
そのため、
- 睡眠
- 栄養
- ストレス
- 運動
- 発熱や感染症
などが精子の状態に影響します。
鍼灸では身体全体の状態を整え、「精子が育ちやすい環境づくり」を目指します。
治療は最低3か月が目安
精子が新しく作られるまでには約70〜90日かかります。
そのため、
「1〜2回の治療で劇的に改善する」
というものではありません。
今回の講演でも、
最低3か月、できれば6か月程度
継続して経過を見ることの重要性が繰り返し説明されていました。
精索静脈瘤も重要
男性不妊では、
精索静脈瘤
という病気が隠れていることがあります。
これは精巣周囲の静脈の血流が悪くなる病気で、
精子の質の低下につながることがあります。
鍼灸だけで改善を目指すのではなく、必要に応じて泌尿器科や男性不妊専門医をご紹介し、手術などの治療を優先した方がよいケースもあります。
当院でも医療機関との連携を大切にしています。
当院が目指す鍼灸治療
妊活は、ご夫婦二人三脚で取り組むものです。
女性だけではなく、男性の身体を整えることも妊娠への大切な一歩になります。
当院では、
- 全身の血流改善
- 自律神経の調整
- ストレスの軽減
- 冷えの改善
- 睡眠の質の向上
などを通して、
「妊娠しやすい身体づくり」
をサポートしています。
今回学んだ最新の知見も今後の臨床に生かし、
科学的な根拠を大切にしながら、一人ひとりに合わせた治療を提供していきたいと思います。
妊活でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。


